旅館レビューNo.13『藤三旅館 – 鉛温泉』浴槽に直接湧く荘厳な温泉
2023年6月に1泊させていただきました。以前に近くの新鉛温泉の愛燐館に泊まったことがありまして、その時から気になっていた御宿でした。愛燐館の記事もまた別で書こうかと思います。こちらの御宿はいわゆる湯治宿でもあり、どんな雰囲気なのか気になった次第です。玉川温泉の湯治宿も良いものだったのでね。
いざ訪れてみると期待以上に良い御宿でしたよ。またリピートしたい御宿が増えてしまいました。レビュー書いていきますね。
○参考料金
1泊2食付き1人当たり 約15,000円 でした。
藤三旅館 - 鉛温泉
鉛温泉の御宿です。客室数は32室と多くなく少なくなくといった規模感です。本館と別館、湯治部があり実際はもう少し客室は多そうに感じたんですけどね。楽天トラベルには32室と書いてありました。
藤三旅館には十三月という名の別邸があり、そちらには源泉かけ流しの客室露天風呂があるようです。大浴場が藤三旅館と共通で利用できるとのこと。館内には浴衣が違うお客さんがおられまして、おそらく十三月に泊まってる方だったのかな。いつの日か別邸も泊まりたいですね。
藤三旅館の館内施設には売店やくつろぎ処、ラウンジがありました。こちらの本館は1786年に創業されたとのことで、館内は昔にタイムスリップしたような雰囲気で溢れておりました。歩いているだけでなかなか楽しいものでしたよ。また、館内のエレベーターは宮沢賢治の作品のイラストが描かれていたりと、古さだけでなく岩手県の色を感じられる御宿でした。どこを撮っても写真映えするような館内はとても良い心地が良いです。
〇各部屋のまとめ
・2面の窓から渓流を 和室8畳+6畳角部屋(トイレ洗面なし)
・文豪「田宮虎彦」が執筆した 和室8畳+4畳(トイレ洗面なし)
・渓流を望む 和室8畳+4畳 または 和室10畳(トイレ洗面なし)
・昭和16年木造建築 渓流を望む 和室7畳(トイレ洗面なし)
・昭和16年木造建築 和室7畳(トイレ洗面なし)
・渓流を望む 和室8畳 鉄筋建築(洗面付き・トイレなし)
・渓流を望む 和室12畳 鉄筋建築(洗面付き・トイレなし)
・渓流を望む 和室8畳 鉄筋建築(洗面トイレ付き)
・「湯治部」レトロな 和室6~8畳(トイレ洗面なし)
藤三旅館 の場所とアクセス
岩手県の花巻温泉郷にある鉛温泉の御宿です。花巻温泉郷とは花巻温泉、台温泉、金矢温泉、松倉温泉、志戸平温泉、渡り温泉、大沢温泉、山の神温泉、鉛温泉、新鉛温泉、花巻北温泉、東和温泉の12の温泉地のことを指しており、調べてみるそれぞれ泉質が違うようです。全部入ってみたいですねぇ。今回は御宿の温泉に浸かりすぎたので別の日帰り温泉に寄る元気はありませんでした…
御宿の中には宮沢賢治に関するものが多くありました。やはり花巻と言えば宮沢賢治なんですねぇ。ちなみに御宿から宮沢賢治記念館や宮沢賢治童話村までは車で40分くらいで行くことができます。どっちも見てきましたが個人的には童話村のほうが楽しかったですねぇ。
御宿までの道のりはわかりやすかったです。高速道路から降りてナビ通りに行くだけで道も広く綺麗でした。御宿の目の前の道だけが一瞬悩みましたが書いてある通りに進めば問題なかったです。
〇各種アクセス
→東北自動車道 花巻南インター から 15分程度
公共交通機関の場合
→花巻駅 から 岩手県交通の湯口線 鉛温泉まで 32分程度 鉛温泉からは歩いてすぐ
その他新花巻駅、花巻駅からは花巻南温泉郷無料シャトルバスもあるらしいです。
また、シャトルバスとは別で5人から19人まで花巻駅、新花巻駅の送迎してくれるそうです。
藤三旅館 の客室
今回宿泊したのは鉄筋建築の和室8畳のお部屋です。別館と書いてあったので本館と場所が違うんだろうと思っていたのですが、実際は本館と別館は繋がっていてどこからが別館でどこからが本館なのかぱっと見ではわからないくらいでした。客室にトイレはついてませんが洗面台はついています。トイレは各階の廊下に男女別であります。キレイで清潔でしたよ。
客室は、廊下から入ってすぐの3畳ほどのスペースと8畳の和室、広縁といった構成でした。8畳以外のスペースが多いため部屋は広く感じましたね。室内はとても清潔でした。新しいほうの建物でしたが古き良き雰囲気のある和室でしたねぇ。お布団は夕食の時間の間に敷いてくれていました。布団がチェックアウトまで敷いたままなのはありがたい。
隣の部屋の音や廊下の音は特に気になりませんでした。一応外の音を懸念して別館を選んだのが功を奏したんですかね。本館の客室は木造建築なので隣の部屋の音がそれなりに聞こえるようです。苦手な人は別館の鉄筋建築のほうがオススメですかね。
藤三旅館 の温泉
泉質はアルカリ性単純温泉です。加温、加水、循環はなしの最高品質。湯量が豊富なんですねぇ。浴場は写真撮影が禁止です。そのため分析書も撮れずなのでphとか忘れてもうた。どうしても写真を撮りたい方はフロントに許可を取りましょね。
浴場は4つあるんですが訪れた時は白糸の湯はやってなかったので、その他3つの浴場について書いていきます。
藤三旅館で一番有名なのが白猿の湯かと思います。こちらは、浴槽の下から直接温泉が湧いています。おもしろいよねぇ。浴槽の真ん中あたりが少しブクブクとしているので、入ってみると温泉が湧いているのを体感できるのです。どこも通ることなく直接浴槽に入るので一番新鮮な温泉です。こちらは湯舟の深さが平均で1.25mもあり立って入ります。場所によっては深いので要注意。段差の部分も幅が狭いところもあるため、気を付けて入ったほうがよいですね。メガネの方は外さず入ることをオススメします。天然の岩を人力で掘って作った浴槽らしく、荒々しいですが人が掘ったのかと思いを馳せながら浸かる温泉も一興ですよ。ちなみにこちらの浴場は混浴です。ちゃんと女性専用時間もあるので、女性も安心して入れます。女性専用時間はかなり混むみたいで10人以上入ってる瞬間もあったそうです。嫁いわくオススメは女性専用に切り替わるタイミングとのこと。多少空いてる状態で入れるそうです。切替のタイミングで宿の人がドアを開けて声かけしてました。気になる人は注意が必要かもしれんですね。脱衣場は目隠し用の板はありますが、ほぼオープンみたいなもんですね。カゴの数はあるので混んでいても脱ぐだけなら問題ないです。
男女別で常時入れるのが桂の湯です。白猿の湯にはシャワーがないのですが桂の湯にはシャワーがあります。浴槽は内湯と露天風呂がありほどよい広さ。入った感じは特徴的な匂いもなくあっさりとした感じ。しかし、とても温まる温泉でした。なんだかとても疲れの取れるお湯でしたねぇ。露天風呂はメインの浴槽の他に下に降りる階段があり、川沿いにこじんまりとした浴槽がもう1つありました。川沿いの湯舟は男湯だけなのかな?階段が見つけ難いので逃さぬようお気をつけください。川が近く自然の中に身を置いている感が心地よいのです。脱衣場は程よい広さです。変に混むことはなかったですね。
時間帯によって貸切になったり男女別になっていたのが、銀の湯です。こちらは内湯のみです。かなりこじんまりとしてますが、窓から木々を眺めながらのんびり浸かることができ心地よかったです。しかし、結構狭いので他に人が入っていると厳しいですかねぇ。脱衣所も狭いので他に客が2人いたら遠慮したいレベルです。貸切風呂として入れたらめちゃくちゃいいですねぇ。
どの浴場も常に人がいました。すごく混むということはなかったのですが、なかなか独泉することはできなかったですね。とはいえ不満は一切ないです。特に白猿の湯はもう1回入りたいなぁ。
藤三旅館 の夕食と朝食
夕食朝食ともにお食事処での食事でした。予約の段階で別料金の部屋食を選ぶことも可能なようです。お食事処は隣のテーブルとは間仕切りや通路を挟む形だったのでゆっくりと料理を楽しむことができました。
夕食はプランによって違いがあるみたいです。私達が予約したのは一番お手頃な梅膳です。最初からほぼすべての料理が置いてあり、欲しいタイミングでお米と汁物をいただく感じでした。もちろん食後にはデザートもあります。
旅館の食事はボリューミーなことが多いのですがここは丁度いい量でした。とはいえ足りないということもなくちょうど満腹くらいの分量でありがたかったです。そして何よりどれも美味いんですわ。特に花巻名物のプラチナポークの季節の鍋。これがほんとに美味しかった。豚肉の鍋って色々食べてはきたのですが、ここの豚肉の鍋は異様に美味しかったです。想像以上でした。豚肉とお米がめちゃくちゃ合うんですよ。これまた食べたいので次に泊まる時もまた梅膳で予約します。
朝食はいわゆる旅館の朝食という感じです。席に着くと弁当のような蓋つき2段の容器におかずが入っておりました。量的には多すぎず少なすぎず。お米はおひつでおいてあります。お米が進むおかずばかりで見た目よりも満腹になりました。味ももちろん美味しかったです。ベーコンエッグは自分で焼くので好みの硬さにできるのが嬉しい。卵の下にクッキングシートを敷いていてあり簡単に作ることができます。卵がくっつかないって素晴らしいことだと思うのよ。ホントに食べやすい。
藤三旅館 のアメニティ情報
アメニティは一通り揃ってました。白猿の湯にはシャンプーやリンス、ボディーソープなどはないので桂の湯などで体を洗ってから行くのがよいでしょう。桂の湯と銀の湯にはシャンプーなどは一通りありました。化粧水や乳液、化粧落としもあったとのこと。脱衣所や浴場前には冷水器などは見当たらなかったです。桂の湯の洗面台に紙コップがありましたね。洗面台の水が飲めるんかな?気になる方はお水は部屋に冷水があったので、それを飲むほうが良いですかねぇ。ドライヤーは客室では見つけられず。桂の湯に2つくらい、銀の湯に1つ置いてあったかと思います。数は少ないですが、混んでて使えないということもなかったです。また、風呂場に持って行くタオル入れる用の袋も部屋にありました。これがあると便利なんですわ。
まとめると
新鮮な自噴のお湯をクラシカルな湯治の雰囲気の中で楽しめる御宿でした。白猿の湯がなんとも壮大で別世界を体感できるような温泉でした。一見の価値あり。湯治部のほうも少し歩ってみたのですが、これまた別世界が広がっておりました。普段感じることのない空気感が新鮮でなんだかワクワクできますよ。旅館部は部屋も綺麗でご飯も美味しく大満足の御宿でした。自噴の立ち湯っていうのは面白いですね。他ではなかなか得られない体験が多くあるのでオススメです。
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